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工場立地法の緑地面積や環境施設面積を解説

工場立地法

「工場立地法ってそもそもどんな法律?」「環境施設面積や緑地面積の基準がよくわからない・・・」工場立地法について、こんな疑問はないでしょうか。

この記事では

  • 工場立地法の概略
  • 緑地面積に該当する植物の種類
  • 工場の敷地を緑地化する方法
  • 環境施設面積に該当する設備の種類
  • 環境施設面積を増やすのに有効な「太陽光発電」

などについて、分かりやすく解説していきます。

工場立地法とは?

太陽光発電

工場立地法とは、工場を建てる際に、周囲の生活環境に悪影響を及ぼすことなく調和を保てるように、特定の条件にあてはまる工場に対して適用される法律です。
工場立地法では、「生産施設面積」や「環境施設面積」「緑地面積」を、それぞれ一定の割合で工場の敷地内に設置することが求められています。

工場立地法の目的

工場立地法は、緑地や環境施設を一定割合で工場内に設けることによって、公害が発生しにくい体制を整え、周辺の生活環境の保全を図ることを目的としています。

工場立地法の対象となる工場

工場立地法の対象となる工場の業種・規模は、以下のように定められています。

業種

  • 製造業
  • 電気供給業
  • ガス供給業及び熱供給業

※水力発電所、地熱発電所および太陽光発電所は除く。

規模

  • 敷地面積:9,000㎡以上
  • 建築面積:3,000㎡以上

※上記どちらかに該当する規模の工場が対象。

生産施設面積・緑地面積・環境施設面積の割合

1. 生産施設面積

製造工程に使用される機械や装置が設置されている工場や屋外プラントなどは「生産施設」に該当します。工場立地法で定められている生産施設面積の割合は業種によって異なりますが、敷地の30~65%となっています。

2.緑地面積

樹木や芝などが植えられている区画は、「緑地」に該当します。工場立地法が定める緑地面積の割合(緑被率)は、敷地の20%以上となっています。

3.環境施設面積

修景施設、運動場、太陽光発電施設などは、「環境施設」に該当します。工場立地法が定める環境施設面積の割合は、敷地面積の25%以上となっています。なお、環境施設には「緑地」も含まれており、「緑地面積(敷地面積の20%以上)とあわせて25%以上」という意味になります。

工場立地法の罰則について

工場立地法の対象となる工場が、定められた生産施設面積や環境施設面積、緑地面積の基準を守らない場合や、対象となっているにも関わらず届け出をしていない場合は、是正勧告が行われます。

是正勧告に従わない場合は、設計計画に対する変更命令があり、変更命令に違反すると罰則が適用されます。

罰則の内容については違反内容によっても異なりますが、

  • 懲役:3ヶ月以下~6ヶ月以下
  • 罰金:10万円以下~50万円以下

の罰則が課せられる可能性があります。

都道府県ごとの地域準則について

工場立地法は、国が定めた基準(国準則)の他に、都道府県が定めた基準(都道府県準則)と、市が定めた基準(市準則)があります。

都道府県準則と市準則は、国が定めた基準の範囲内であれば、環境施設面積や緑地面積の割合を変更することが可能で、その地域にある工場は、国の基準に代わって都道府県や市が定めた地域準則を守る必要があります。

緑地面積に該当する植物とは?

自家消費型太陽光発電

緑地として認められる植物には、以下のような種類があります。

樹冠

樹冠とは、樹木の上部の葉っぱが茂っている部分のことを指します。ただし、緑地として認められるには、定期的な整枝・剪定などの手入れが行われていることや、大気の浄化・騒音の防止・防災などに役立つことが条件となります。

高木(喬木)

高木の条件は、幹と枝の区別が明確で、直立に育ち、生長後の高さがおおよそ4メートル以上の樹木を指します。

低木(灌木)

低木とは、一般的に生長後の樹高が2~3メートルの樹木のことを指します。フジ・バラなど、直立しない樹木も低木に該当します。

地被植物

地被植物とは、地面を覆う用途で用いられる植物のことを指し、芝生や苔、維持管理された雑草地などが該当します。

苗木床・花壇

苗木床や花壇は緑地として認められますが、地面や壁面などに固定されていて、簡単には移動できないものに限られます。

維持管理された雑草地

雑草地であっても、植生や美観などの観点から維持管理されていれば、緑地として認められます。

なお、「野菜畑」や「温室」、「ビニールハウス」などの区画は緑地とは認められません。

工場の敷地を緑地化する方法

ここでは、工場の敷地を緑地化する具体的な方法について解説します。

樹木などを植えて緑地化する

まず、上述した種類の樹冠、高木、低木などの樹木を植えることが方法のひとつとしてあります。ただし、区画に樹木を植える際は、区画全体に平均的に植える必要があります。たとえば、区画の一部に樹木をまとめて植えたとしても、区画全体を緑地と見なすことはできません。

駐車場に芝生等を植えて緑地化する

駐車場は、工場立地法においては緑地にも環境施設にも含まれませんが、芝生などの地被植物で駐車場を覆うことで、緑地化(重複緑地)することも可能です。なお、人工芝は人工物のため緑地には該当しません。

屋上や壁面を緑地化する

生産施設の屋上や壁面を緑地化することで、緑地面積の25%までであれば緑地面積としてカウントされます。たとえば、壁面はツル植物などをメインにし、屋上には低木や芝生・苔などの地被植物を植樹することで、緑化面積を増やせるでしょう。

環境施設に該当する設備とは?

自家消費型太陽光発電

環境施設として認められる施設としては、以下のような種類があります。

  • 緑地
  • 修景施設(噴水、池、水流、滝、彫像、つき山、石組、日陰棚・パーゴラ、灯籠などの施設)
  • 屋外運動場(野球場、陸上競技場、サッカー場、テニスコート、水泳プール、スケート場など。また、付属する観覧席、更衣所、シャワー室など)
  • 広場(オープンスペースで公園的に整備されたもの)
  • 屋内運動施設(体育館、屋内テニスコート、屋内プール、武道館、アスレチックジムなど)
  • 教養文化施設(美術館、音楽ホールなど)
  • 雨水浸透施設(浸透管、浸透ます、浸透側溝、浸水性舗装が施された土地など、雨水を集めて地下に浸透させ、雨水の流出を抑制する効果が見込まれるもの)
  • 太陽光発電施設(太陽電池、太陽電池設置器具、パワーコンディショナー、変圧器などの一連の機械)
  • 調整池(美観などの面で、公園的な形態をととのえているもの)
  • 野菜畑

(参考資料:経済産業省「工場立地法運用例規集」)

環境施設面積を増やすには「太陽光発電」が有効!

ここでは、環境施設面積を増やす方法として有効な「太陽光発電」について解説いたします。

太陽光発電なら屋上などに設置可能

太陽光発電は、屋上などにも設置することが可能です。これによってスペースを有効活用して、環境施設面積を増やすことができます。

太陽光発電は重複緑地としてもカウントできる

工場立地法の制度には、「重複緑地」という考え方があります。

  • 「緑地以外の環境施設」以外の施設と重複する緑地
  • 太陽光発電施設と重複する緑地
  • 屋上緑化施設

上記のような場合、重複部分は緑地として認められます。このような「重複緑地」は、緑地全体の25%まで算入することができます。

たとえば、「芝生の上に設置された太陽光発電施設」は重複緑地としてカウントされるので、緑地面積を増やせるということになります。

工場立地法以外のメリットも

太陽光発電には、工場立地法以外にもメリットがあります。具体的には、発電した電気を自社で使用することによる電気代削減や、環境経営への足がかりになるといったことが期待されます。

昨今の社会情勢において、環境経営は企業が対応を迫られている課題の一つであるため、太陽光発電の導入は工場立地法以外にもさまざまな面で企業の助けとなるでしょう。

太陽光発電の主なメリットなどについては、以下をご覧ください。

  • 【2020年最新版】自家消費型太陽光発電とは?メリットとデメリットを紹介 | 太陽でんき

工場立地法まとめ

この記事では、工場立地法の概略や目的について解説しました。工場立地法は、周辺の生活環境との調和を図っていくことを目的としています。

具体的には、特定の業種や規模の工場を対象として以下のような規制を設けています。

  • 生産施設面積:敷地の30~65%(業種により異なる)
  • 緑地面積:敷地の20%以上
  • 環境施設面積(緑地面積を含む):敷地の25%以上

工場の敷地内に緑地面積や環境施設面積を増やすには、高木や低木などの樹木を植えたり、公園のような広場や太陽光発電設備などの環境設備を設置したりする必要があります。

「緑地面積の確保が難しい」という場合でも、駐車場や生産施設の壁面・屋上を緑地化する「重複緑地」を活用することで、効率的に緑地を増やすことが出来るでしょう。

敷地内の緑地化は、工場立地法を守るという意味合いだけではなく、環境に配慮した企業であることをアピールできるという利点もあります。また、緑地・植物による従業員のストレス軽減といった効果も期待できます。

また、自家消費型の太陽光発電を設置すれば、環境施設や重複緑地として認められるだけでなく、電気代の削減やCO2排出量の減少による温対法対策など、さまざまなメリットを享受できるのでオススメです。