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エネルギー供給構造高度化法とは?非化石価値の調達方法
「エネルギー供給構造高度化法(以下、高度化法)」とは電気やガス、石油事業者などのエネルギー供給事業者に対して、再生可能エネルギーをはじめとした非化石エネルギーの利用や、化石エネルギーの有効活用を促進するための法律です。「対象となる事業者は?」「目標を達成するための方法は?」などの疑問をお持ちの方にむけて、この記事では下記内容について詳しく解説していきます。

- 高度化法の対象となる事業者条件と目標
- 目標を達成するための非化石価値の調達方法
- 目標達成にともなう課題と対策
高度化法が制定された背景

高度化法が制定された背景には、日本のエネルギー事情と深刻化する地球温暖化の問題が関係しています。
まず日本のエネルギー事情に関してですが、日本が消費しているエネルギーの8割以上が石油・石炭・天然ガスなどの化石燃料であり、その化石燃料も海外からの輸入に頼っています。輸入対象国の情勢によっては化石燃料の市場価格が乱高下する可能性があり、エネルギーの安定供給ができないリスクを抱えています。
こうしたエネルギーの安定供給や地球温暖化対策といった課題を解決するために、化石エネルギーの使用を減らし、二酸化炭素を排出しない非化石エネルギーの利用を推進する「エネルギー供給構造高度化法」が制定されました。
- 参考記事:資源エネルギー庁「エネルギー供給構造の高度化について -バイオ燃料政策について-」
- 参考記事:資源エネルギー庁「エネルギー供給構造高度化法について」
高度化法の対象となる事業者と目標

ここからは、高度化法の対象となる事業者と、高度化法によって定められた非化石電源の比率目標をご紹介していきます。
年間販売電力量5億kWh以上の小売電気事業者が対象
高度化法は、すべてのエネルギー提供事業者に対するものではなく、定められた条件にあてはまる電気事業者・ガス事業者・石油事業者などが対象となります。
電気事業者の場合、前事業年度における電気の供給量から、当該年度における他の電気事業者に対する供給量を減じた量が「5億kWh時」(国内総供給量の0.05%)以上であることと定められています。
- 出典:資源エネルギー庁「エネルギー供給事業者による非化石エネルギー源の利用及び化石エネルギー原料の有効な利用の促進に関する法律の制定の背景及び概要」p10
「非化石電源比率を2030年度に44%以上にする」が目標
高度化法では、法律の対象となる電気事業者に対して、非化石電源比率の増加を求めています。非化石電源比率とは、全体の電源手段の中の、再生可能エネルギーなど非化石電源が占める割合を指します。ここで言う電源とは、発電する手段を指します。
高度化法では、「2030年度に非化石電源比率を44%以上にする」が目標として定められています。そのため対象となる事業者は、2030年度までに高効率な電源を調達し、非化石電源比率を引き上げる努力をしなくてはいけません。
目標未達成の場合、指導・勧告・命令・罰則が科される可能性も
もしも高度化法の対象事業者が、目標の「2030年度に非化石電源比率を44%以上」を達成できなかった場合、指導・勧告・命令・罰則が科される場合があります。罰則については、
- 勧告に従わない者は100万円以下の罰金
- 適切な計画を提出しない場合や、業務状況の報告を行わない、虚偽報告をする、検査を拒否・妨害・忌避した者は50万円以下の罰金
と、高度化法の第十九条および第二十条に定められています。
- 参考資料:資源エネルギー庁「エネルギー供給事業者による非化石エネルギー源の利用及び化石エネルギー原料の有効な利用の促進に関する法律関係条文集」p7
高度化法の目標を達成するための非化石価値の調達方法

高度化法の目標を達成するためには、非化石価値の調達が必要です。非化石価値とは、再生可能エネルギーなどの非化石電源によってつくられた「非化石電力」と、『二酸化炭素を排出しない』といった非化石電力に付随する「環境的な価値」を指します。
ここからは、非化石価値の調達方法についてご紹介します。
非化石価値取引市場で非化石証書を取引する
「非化石価値取引市場」で「非化石証書」を取引する方法があります。非化石価値取引市場とは、「非化石電源比率を2030年度に44%以上にする」の目標達成のため、小売電気事業者が環境的な価値(非化石価値)を調達できるよう設立された取引市場です。
非化石証書とは、非化石電源によってつくられた非化石電力から、環境的な価値だけを切り離した証書を指します。この非化石証書の購入分が、そのまま同等の非化石電源を所有しているとみなされます。たとえば、太陽光発電システムなどの非化石電源が無い電力会社が、供給電力量の50%に相当する非化石証書を購入したとすると、この電力会社の非化石電源比率は50%になり、目標基準をクリアできます。
このように、非化石証書を購入することで、非化石電源をもたない電気事業者でも、非化石電源比率の向上が見込めます。
自社で非化石電源を開発(新規設置)する
小売電気事業者が自社で太陽光発電システムや風力発電システムなどの非化石電源を用いて非化石電力を発電する方法が挙げられます。特に太陽光発電システムは需要の増加や技術的な進歩により、近年は導入コストが下がってきています。自社で非化石電源を新たに設置する場合は、太陽光発電システムの導入を軸に考えていくのが現実的でしょう。
非化石電源の新設におすすめ非FIT太陽光「PPS電源開発」
PPS(新電力)が自社で新しく非化石電源を開発するのであれば、非FIT太陽光「PPS電源開発」がおすすめです。非FIT太陽光発電システムを開発することで、CO2排出係数の低い電気を需要家に供給する事が可能になります。
なお、非FIT太陽光とは、FIT(固定価格買取制度)の対象ではない太陽光発電を指します。非化石価値取引市場においては、非FIT太陽光発電由来の非化石証書を「非FIT非化石証書」、FIT太陽光発電由来の非化石証書を「FIT非化石証書」と言います。
非FIT太陽光「PPS電源開発」により、高度化法への対応だけでなくRE100に対応した電力の販売ができます。RE100とは、企業が自社で使用する電力をすべて(100%)再生可能エネルギーでまかなうことを目指す国際的イニシアティブのことで、主に環境経営を推進しようとしている国内外の企業が参加しています。
エコスタイルの非FIT太陽光「PPS電源開発」について詳しくは、以下のページをご覧ください。
https://eco-st.co.jp/wp/renewable-area-power/
高度化法の目標達成にともなう課題と対策
ここからは、高度化法の目標達成にともなう課題と対策について解説していきます。
【課題】非化石電源の確保にともなうコストの増加
非化石電源の比率を目標通り44%以上にできた場合、非化石価値取引市場で非化石証書の取引や、太陽光発電システムをはじめとした再生可能エネルギーの新規設置によって、高度化法の施行以前にくらべて電気の生産コストが高くなってしまう傾向にあります。
【対策】環境価値の高い電力として販売先を確保する
太陽光発電の新規開発による電気の生産コストが増加した分の対策として、非FIT非化石電源を使用して環境に配慮した方法でつくられている「追加性のある電気」であることをアピールして販売する必要があります。
たとえば、非FIT太陽光発電の設置により生産が可能となる「非FIT非化石電源」を「RE100」を目指す電力需要家に対し、「RE100メニュー」といった名前で通常の電気より付加価値をつけて販売する方法もあります。
追加性とは、既設の太陽光発電所ではなく、投資の伴う新規開発により再生可能エネルギーの拡大に寄与することを指します。グローバルな機関投資家は既設FIT電力から調達した非化石証書を使った再エネ電気ではなく、新規開発による再生可能エネルギー拡大への寄与を評価しており、追加性のある電気を使っていることが需要家にとって評価されるポイントになります。
エネルギー供給構造高度化法まとめ
エネルギー供給構造高度化法は、電気事業者をはじめとしたエネルギー供給事業者に対し、非化石エネルギーの利用や、化石エネルギーの有効活用を促進するための法律です。
高度化法では、年間販売電力量5億kWh以上の小売電気事業者に対し「2030年度に非化石電源比率を44%以上」という目標が定められており、目標が未達成の事業者は指導・勧告・命令・罰則が科される可能性があります。
高度化法の目標を達成するための非化石価値調達方法には「非化石価値取引市場で非化石証書を取引する」と「自社で非化石電源を新規設置する」の2種類があります。事業者ごとの資金規模でも選べる戦略は変わりますが、どちらの方法も選べる場合は、2つとも活用するなどして目標達成を目指すことが大切です。
※記載内容は掲載当時のものであり、変更されている場合がございます。
ゴールデンウィーク休業のご案内
平素は格別のご高配を賜り厚く御礼申し上げます。
ゴールデンウィーク期間中の休業日に関しまして、ご案内させていただきます。
誠に勝手ながら、弊社では下記期間をゴールデンウィーク休業とさせていただきます。お客様にはご不便をお掛けいたしますが、予めご了承いただきますよう宜しくお願いいたします。
ゴールデンウィーク休業中にお寄せ頂いたお問い合わせやお申し込みに関しましては、 5月6日(木) より順次対応させていただきます。
今後とも株式会社エコスタイルを宜しくお願い申し上げます。
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再生可能エネルギー賦課金(再エネ賦課金)とは?いつまで続く?推移予想や削減対策
「電気代の請求書に含まれている再エネ賦課金”って何? 意外に高い!」と思ったことはありませんか?
ここでは、再エネ賦課金の内容や2021年の単価、これまでの推移や将来的、対策などについても解説し、
また再生可能エネルギー賦課金への有効な対策となる「自家消費型太陽光発電システム」もご紹介します。
そもそも、再エネ賦課金とは?
電気料金を気にされている方なら名前は聞いたことがあるかもしれませんが、
「再エネ賦課金」について、成り立ちや価格の決まり方などを詳しくご存知でしょうか。
再エネ賦課金は、正式名称を「再生可能エネルギー賦課金(ふかきん)」と言い、
毎月の電気代に「再エネ発電賦課金等」といった名前で加算されています。
FIT(固定価格買取制度)と再エネ賦課金の関係
「再エネ賦課金」は、太陽光発電の売電価格を決定しているFIT(固定価格買取制度)と
深いかかわりがあります。
太陽光発電は、FIT(固定価格買取制度)によって高い売電価格が設定され、
それにより一般住宅などへの普及が進んだ背景があります。
しかし、その高額な売電価格は、電力会社が負担するわけではなく、
国民全体が「再エネ賦課金」という形で負担をしています。
再エネ賦課金と太陽光付加金の違い
再エネ賦課金は、もともと「太陽光発電促進付加金(太陽光発電サーチャージ)」という名称でしたが、
2012年のFIT(固定価格買取制度)の法改正から、
現在の「再生可能エネルギー賦課金」へと名称が変更されました。
なぜなら、2012年より以前の「太陽光発電促進付加金」だった時代は、
まだ太陽光発電以外の再生可能エネルギーがほとんど普及していなかったため、
「太陽光発電」に限定した名称でも問題ありませんでした。
ところが、2012年の段階になると、太陽光発電のほかに
風力発電やバイオマス発電などの再生可能エネルギーも普及しはじめていたため、
「再生可能エネルギー賦課金」という名称に変更されたのです。
2021年の再エネ賦課金の1kWあたりの単価
再エネ賦課金は、毎年「電気使用量1kWあたり◯円」という形で料金が決められ、
その価格が1年間変わりません。
なお、2021年5月以降の再エネ賦課金の単価は「3.36円/kWh」となっています。
標準家庭の再エネ賦課金は1,000円超
3人家族の標準家庭の電力使用量を370kWhとした場合、
2021年5月以降の再エネ賦課金負担は「1,243円」となり、1,000円を超えてしまいます。
1人暮らしの場合や、5人家族以上の世帯の場合なども見てみましょう。
2021年5月以降の再エネ賦課金の世帯別負担額
| 1人暮らし(185kWh) | 621円 |
|---|---|
| 2人世帯(320kWh) | 1,075円 |
| 3人世帯(370kWh) | 1,243円 |
| 4人世帯(400kWh) | 1,344円 |
| 5人世帯(450kWh) | 1,512円 |
| 6人世帯(560kWh) | 1,881円 |
ご覧の通り、再エネ賦課金の負担は電気の使用量に比例して増加するため、
世帯人数が多くなるほど再エネ賦課金、負担も大きくなる傾向にあります。
そしてこれは、個人・法人に関わらず、電力の使用量に応じて支払う必要があるため、
一般家庭と比べて非常に多量の電気を使う法人の場合、その負担額はとても大きなものです。
これまでの再エネ賦課金の推移

上記の項目で、再エネ賦課金の単価は毎年決められているとご説明しました。
ここでは、これまでの再エネ賦課金の推移についてご紹介していきます。
再エネ賦課金の推移
| 2012年 | 0.22円/kWh |
|---|---|
| 2013年 | 0.35円/kWh |
| 2014年 | 0.75円/kWh |
| 2015年 | 1.58円/kWh |
| 2016年 | 2.25円/kWh |
| 2017年 | 2.64円/kWh |
| 2018年 | 2.90円/kWh |
| 2019年 | 2.95円/kWh |
| 2020年 | 2.98円/kWh |
| 2021年 | 3.36円/kWh |
(参考資料:東京電力ホールディングス「再生可能エネルギー発電促進賦課金単価」より引用)
ご覧の通り、再エネ賦課金は2012年からスタートした当初、賦課金額が少なかったのは、
まだ太陽光発電などの再生可能エネルギーがあまり普及していなかったためです。
2012年~2015年にかけて、特別優遇期間が設けられた10kW以上の
産業用太陽光発電が爆発的に増え、多くの太陽光発電によって創られた電気を
各電力会社が買い取ることになり、それにともなって2016年以降の再エネ賦課金も
大きく値上がりする結果となりました。
再エネ賦課金は消費税込み
再エネ賦課金には消費税が含まれています。
2021年の再エネ賦課金「3.36円/kWh」であれば、その10%である約0.34円が消費税分となります。
ちなみに、その他の基本料金や電力量料金、
燃料費調整額などの電気料金もすべて消費税を含む額となっているため、
もし今後、増税などがあった場合には、それにともなって料金が高くなる可能性があります。
再エネ賦課金はいつまで続くの?
前述の項目でも説明したとおり、再エネ賦課金はFIT(固定価格買取制度)と密接に関わりのある制度です。
そのため、少なくともFIT(固定価格買取制度)が終了するまでは継続されると予想できます。
なお、2013年に環境省が独自に今後の再エネ賦課金の推移を推計した
「平成25年度2050年再生可能エネルギー等分散型エネルギー普及可能性検証検討報告書」によると、
再エネ賦課金は2030年をピークに値下がりに転じ、2048年頃にやっと0円になる試算を出しています。
ただし、こちらの推計は、FIT(固定価格買取制度)が少なくとも2030年までは継続することを
前提としたものであり、2030年時点の賦課金単価が「2.95円」と予測されていますが、
現実には2019年で2.95円に達してしまっており、現実の推移とは少し乖離が見られます。(参考:環境省)
再エネ賦課金が値下がりする理由
再エネ賦課金が、今後2030年あたりをピークに値下がりする理由として、
FIT(固定価格買取制度)期間の終了が挙げられます。
FITによる固定価格での電力買取は、10kW未満の家庭用太陽光発電で10年、
10kW以上の産業用太陽光発電で20年と定められています。
はじめにFIT期間が切れるのは2019年で、2009年に太陽光発電を設置した人が対象となります。
こうしたFIT期間満了が続々と起こるため、正確な時期は定かではありませんが、
将来的に再エネ賦課金は0円になるとが予想されます。
電力中央研究所のディスカッション資料によると、環境省の見通しよりもまだ高騰が続くと予想され、
2032年度には最大4.72円にまでなる可能性まであるとしています。(参考:電力中央研究所)
再エネ賦課金の対策は自家消費型太陽光発電?!
「将来的には再エネ賦課金は無くなる」とは言っても、まだまだ先の話です。
どんなに地道に節電をしても、当面は再エネ賦課金は毎年値上がりし、経営を圧迫していきます。
一般家庭では家計に対してのインパクトは小さいですが、
多くの企業にとっては電気代は悩ましい経費であり、その経費を減らすことができたらそのまま利益を増やすことができます。
この再エネ賦課金に対する有効な対策として「自家消費型太陽光発電」があります。
「自家消費型太陽光発電」で電気を創る
太陽光発電は、自社の屋根や敷地、あるいは土地を購入して太陽光パネルを設置して、
FIT(固定価格買取制度)に基づいて長期間、売電収入を得るというイメージが強いかと思います。
一方で、「自家消費型太陽光発電」は、屋根に太陽光パネルを設置するまでは一緒ですが、
発電した電気は売るのではなく自社で優先的に消費します。
この「自家消費型太陽光発電」により、電力会社からの買電を減らすことができますので、
結果的に「再エネ賦課金」の金額も抑えることが可能となります。
「自家消費型太陽光発電」はFIT(固定価格買取制度)ではないため国民全体への負担もありませんし、
電気の自給自足、地産地消という環境経営につながります。
また、太陽光発電と一緒に蓄電池を導入することで、
業務時間外や休業日などに発電した電力を、業務時間で消費するということもできるため、
よりエネルギーの自給自足に近づくことも可能です。
まとめ
FIT(固定価格買取制度)と密接な関係にある「再エネ賦課金」は、
太陽光発電の売電価格を国民全体で負担するというものです。
2021年5月以降の再エネ賦課金の単価は、「3.36円/kWh」に決定しています。
この単価は1kWhごとの金額ですので、実際はこの単価に電気使用量を乗じた金額が、
再エネ賦課金として電気代の請求書に記載されます。
再エネ賦課金は、今後2030年をピークにして、2048年頃には0円になると環境省が予測していますが、
現時点で既に当初予測より高い金額になっており、将来どうなるか正確なところはまだ分かりません。
いずれ終了するにしても、再エネ賦課金の負担を減らしたい場合には、
「自家消費型太陽光発電」を設置して電力会社からの購入電力量を削減する方法が有効です。
※記載内容は掲載当時のものであり、変更されている場合がございます。
再生可能エネルギーとは?今後の課題やメリット・デメリット
再生可能エネルギーは、太陽光発電だけだと思っていませんか?
実は、太陽光発電以外にも、再生可能エネルギーには様々な種類が存在します。
この記事では、そんな再生可能エネルギーの種類をご紹介するとともに、
再生可能エネルギーのメリットやデメリット(問題点)、
再生可能エネルギーの普及を支えている「固定価格買取制度(FIT)」などについてご紹介していきます。
再生可能エネルギーとは?

再生可能エネルギーとは、いずれ枯渇してしまう石油や石炭といった「化石燃料」とは異なり、
地球上のどこにでも存在していて、CO2を増加させず国内で生産可能なエネルギーのことを指します。
代表的な例で言うと、太陽光や風力、水力といった再生可能エネルギーがあります。
再生可能エネルギーの種類について詳しくは、以下の項目でご紹介します。
再生可能エネルギーの種類
再生可能エネルギーには、主に以下のような種類があります。
太陽光発電
太陽光発電とは、太陽の光エネルギーを電気に変換する再生可能エネルギーです。
太陽から降り注ぐ光を太陽光パネル(半導体素子)に当てることで、電気が発生する仕組みを利用しています。
変換効率は素材や用途(住宅用・産業用)で異なり、以下が現在の変換効率の目安となっています。
| 住宅用(シリコン単結晶パネル) | 約16~21% |
|---|---|
| 住宅用(シリコン多結晶パネル) | 約15~16% |
| 産業用(シリコン単結晶パネル) | 約16~20% |
| 産業用(シリコン多結晶パネル) | 約15.5~16.5% |
| 住宅用・産業用(CIS系太陽電池) | 約14~15% |
日本では後ほど紹介する固定価格買取制度(FIT)の影響などにより、
一般家庭なども含めて最も普及している再生可能エネルギーと言えます。
風力発電
風力発電は、風の力で風車を回し、その回転エネルギーによって発電機を動かして電気をつくる仕組みです。
電力へのエネルギー変換効率は約30%~40%で、再生可能エネルギーでは水力発電に次ぐ高さです。
風力発電には陸上風力(陸地に設置する風力発電)と洋上風力(海の上に設置する風力発電)の2種類があり、
風車の種類にもプロペラ型やジャイロミル型、サボニウス型などが存在します。
水力発電
水力発電は、水を高いところから落下させることで生まれる
位置エネルギーを利用して、水車を回転させて電気をつくる仕組みです。
電力へのエネルギー変換効率は再生可能エネルギーの中では最も高い約80%となっています。
「ダム式」、「水路式」、「ダム水路式」の3種類に分けることができ、
日本では黒部ダムや豊稔池ダムなどが有名です。
また、小さい川でも発電を行える「マイクロ水力発電」も、一部で導入が進んでいます。
地熱発電
地熱発電は、「地熱貯留層」と呼ばれる地下1,000~3,000mの場所から汲み上げた蒸気や熱水によって
タービンを回して発電します。「地熱貯留層」とは、地上で降った雨が
深さ数千mのマグマ溜まりに到達して蒸発し、熱水として溜まっている場所のことを言います。
なお、地熱発電には、鋼管杭を使って貯留層から熱水(200度以上)を直接くみ上げて利用する
「フラッシュ方式」と、すでに掘削済みの温泉熱や温泉井戸の蒸気を利用する
「バイナリ方式」の2種類があります。
「バイナリ方式」のほうが新たに掘削する必要がなく環境にも優しいため、
今後の普及が期待されています。
(参考資料:資源エネルギー庁「地熱発電」)
バイオマス発電
バイオマス発電は、家畜や動物の糞尿や食品廃棄物、廃材などの生物資源(バイオマス)を
直接燃焼またはガス化することでタービンを回し発電する手法です。
バイオマス発電は廃棄物の再利用にも繋がることから、
SDGsなどが目指す「循環型社会」にも貢献できる再生可能エネルギーとして注目を集めています。
太陽熱利用
太陽熱利用は、太陽光の熱エネルギーを太陽集熱器や屋根集熱面、
太陽熱温水器などを利用して集め、お湯を沸かしたり暖房に利用したりします。
太陽光発電と似ていますが、太陽熱利用の場合、発電は行えません。
また、構造が単純なため、比較的昔から利用されている再生可能エネルギーです。
雪氷熱利用
雪氷熱利用は、雪や氷を保管しておき、その冷熱を利用する再生可能エネルギーです。
主な利用方法としては、倉庫に雪や氷などを保管して野菜や食物などを保存する氷室(雪室)や、
雪や氷の冷熱を循環させて冷蔵庫や冷房代わりに使用する「雪冷房」や「雪冷蔵」、
「アイスシェルター」などがあります。
再生可能エネルギーを活用するメリットは?

再生可能エネルギーの種類が分かったところで、
ここでは再エネを活用するメリットについてご紹介していきます。
CO2等の温室効果ガスを排出しない
まず、再生可能エネルギーは地球温暖化の原因と言われている温室効果ガスを排出しません。(太陽光発電は火力発電と比較して温室効果ガスの排出量が少ないです。)
そのため、世界中で再生可能エネルギーを導入する動きが広まっています。
今、世界の国々ではパリ協定に基づいて、二酸化炭素など温室効果ガスの削減目標を定め、
その削減目標に向けた削減努力を行っています。
再生可能エネルギーの普及は、この温室効果ガス削減目標を達成するためには必要不可欠と考えます。
エネルギー自給率の向上に期待できる
太陽光発電や風力発電など、地球上のあらゆる場所でエネルギーをつくりだすことができる
再生可能エネルギーは、資源に乏しい日本のエネルギー自給率を向上させる切り札になるかもしれません。
資源エネルギー庁のWEBサイトで公表されているデータによると、
日本のエネルギー自給率は2016年時点で8.4%と、
1973年の第一次石油ショックの頃(9.2%)よりも低くなっています。
その理由は、国内で使用するエネルギー源の8割以上を海外に依存しているためです。
2017年時点で、日本における再生可能エネルギーの比率は約16%となっています。
それに比べて海外の電源構成における再エネ比率を見てみると、
カナダ65.7%、イタリア35.6%、ドイツ33.6%、スペイン32.4%と、
日本の再生可能エネルギー比率を大きく上回っています。
(参考資料:資源エネルギー庁「総論|再エネとは」)
日本においてエネルギー自給率を伸ばせるかどうかは、
再生可能エネルギーの普及にかかっていると言っても過言ではありません。
再生可能エネルギーのデメリットや問題点は?

再生可能エネルギーの良いところばかりを見てきましたが、
ここからはデメリットや問題点についても見ていきましょう。
発電コストが高い
再生可能エネルギーの普及をさまたげている原因として、発電コストが高いことが挙げられます。
しかしながら、海外では他の主力電源と張り合えるほどに発電コストが低下していますので、
日本においても再生可能エネルギーの発電コストを下げ、主力電源化することは不可能ではありません。
そのための取り組みとして、後ほどご紹介する固定価格買取制度による
再生可能エネルギーの普及や、その先にある入札制度の導入、
また需要が増加することによる技術開発と導入費用の低下により、
発電コストを低下させる努力を継続する必要があります。
エネルギー変換効率が低い
水力発電を除いて、太陽光発電や風力発電など主力となる再生可能エネルギーの発電効率は、
火力発電や原子力発電よりも低くなってしまいます。
| 太陽光発電 | 約14~21% |
|---|---|
| 風力発電 | 約30%~40% |
| 火力発電 | 約42~61% |
| 原子力発電 | 33% |
エネルギー変換効率が低いことも、主力電源化をさまたげている要因の1つですので、
今後の開発技術の進歩によって変換効率が高くなっていくことが期待されています。
発電量が天候などに左右される
再生可能エネルギーのデメリットとして、発電量が天候や季節といった
環境的要因に左右されるため安定しづらいという点があります。
天候の悪化などが続いた場合、電力の供給が滞ったり、
需要と供給のバランスが崩れて大規模停電の原因になるといったリスクがあります。
このデメリットを解消するために、需要と供給のバランスをコントールする
VPP(バーチャルパワープラント)と呼ばれるシステムの実用化に向けた取り組みも進んでいます。
まとめ
再生可能エネルギーには、太陽光発電や風力発電の他にも、バイオマス発電や太陽熱利用など
様々な種類があることがお分かり頂けたのではないでしょうか。
CO2など温室効果ガスを排出しない再生可能エネルギー(太陽光発電は火力発電と比較して温室効果ガスの排出量が少ないです。)は、パリ協定によって定められた地球温暖化防止のための温室効果ガス削減目標に向けて、欠かせない存在と言えます。
今後、日本における再生可能エネルギーの普及率を海外並にまで引き上げるためには、
発電コストのダウンや発電効率の上昇など、さまざまな課題をクリアしていく必要があります。



